週4正社員への転職は実現できる？メリット・デメリットから求人探しのコツまで徹底解説

働き方改革が進む現在、「週4日勤務の正社員」という新しい働き方に注目が集まっています。プライベートな時間を大切にしながらキャリアアップも目指したい方にとって、理想的な働き方といえるでしょう。本記事では、週4正社員のメリット・デメリットから、実際の転職方法まで詳しく解説します。

週4正社員とは？基本的な仕組みを理解しよう

週4正社員とは、1週間のうち4日間勤務し、3日間を休日とする正社員の働き方です。政府の動きとして、2021年4月、自民党内の一億総活躍推進本部が月内にまとめる中間提言を踏まれ、加藤勝信官房長官（当時）から「育児や介護、闘病等の生活と仕事の両立を図る観点から多様な働き方の推進は重要だ」という発言がありました。さらに、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」（いわゆる骨太の方針）に「選択的週休3日制」が盛り込まれました。

週4正社員の3つのパターン

マイナビが企業に調査した「中途採用実態調査」によると、週4日勤務には大きく3つのパターンがあります：

パターン	労働時間	給与	特徴
Aパターン（労働時間延長型）	1日10時間×4日	変化なし	週40時間を維持し、給与減額なし
Bパターン（給与減額型）	1日8時間×4日	20%減額	労働時間短縮分の給与が減額
Cパターン（理想型）	1日8時間×4日	変化なし	労働時間も給与も変わらず休日増加

現実的には、導入済企業ではAパターンが54.5%、Bパターンが34.4%、Cパターンが11.1%となっており、完全な理想型は少数派です。

週4正社員への転職で得られる5つのメリット

1. ワークライフバランスの大幅改善

週4正社員最大のメリットは、プライベート時間の充実です。週3日の休日により、家族との時間や趣味、自己投資に使える時間が格段に増えます。特に子育て世代や介護を抱える方にとって、平日に1日追加される休日は大きな価値があります。

2. ストレス軽減と健康面の向上

アイスランドでの実証実験の結果を見る限りでは、生産性の低下は見られず、職場でのストレス低下など、労働者の健康面でプラスの影響がありました。継続的な休息により、心身の疲労回復が促進され、仕事への集中力も向上します。

3. スキルアップと学び直しの機会創出

追加の休日を活用して、資格取得や新しいスキル習得に取り組めます。政府も一環として選択的週休3日制の普及に取り組んでいます。月曜日から金曜日までのうち1日でも育児に集中できる日を増やすことによって、子どもと接する時間が増えるほか、家事スキルの向上や子どもに関する手続き等を行えるようになります。

4. 副業・兼業の実現可能性

週4正社員なら、残りの時間を副業に充てることが可能です。週休3日制を選択することで休日が増える分、その時間を副業に充てることも可能になります。複数の収入源を持つことで、経済的な安定性も向上します。

5. 生産性向上によるキャリア価値の向上

限られた時間で成果を出す必要があるため、業務効率化スキルが自然と身につきます。週休3日制の社員は通常勤務のときと比べて平均約6割も残業時間が減りました。週の所定労働時間は変わらないとはいえ、出勤日は1日減ります。以前5日かけてこなした業務を4日でこなすために一人ひとりが業務改善に取り組むようになりました。

週4正社員転職における5つのデメリット

1. 給与減少のリスク

多くの企業では勤務日数に応じた給与設定となるため、従来の週5日勤務と比較して給与が下がる可能性があります。「拘束時間ベースで賃金や人事評価が決まる製造現場のような固定的な制度をそのまま適用するだけでは、従業員の給与が下がる可能性がある」という課題があります。

2. 1日の労働時間延長による負担増加

Aパターンを採用する企業では、1日の労働時間が10時間となります。休憩時間を含めた拘束時間は11時間となるので通勤に時間がかかる人などは負担を大きく感じる可能性があります。

3. 高い生産性要求とプレッシャー

もともと週5日勤務だったのが週4日勤務に変わった企業もありますが、勤務日数に応じて成果も低くなって良いわけではありません。少ない勤務日数でも週5日勤務と同様の成果が求められるのです。

4. 限定的な求人数

厚生労働省が発表している「令和5年就労条件総合調査」を見ると、2023年の時点で「完全週休2日制よりも休日の日数が実質的に多い制度」を設けている企業は全体の7.5%です。求人選択肢が限られるため、転職活動に時間がかかる可能性があります。

5. キャリアパス上の制約

一部の業界や職種では、週4勤務がキャリア発展の障害となる場合があります。特に管理職へのキャリアアップを目指す場合、勤務日数の制約が影響する可能性があります。

週4正社員求人が多い業界・職種

IT・Web業界

IT業界は、週4日勤務を始めとする制度を盛んに導入しています。特に、ITエンジニアやWebデザイナーなど、在宅勤務をおこないやすい職種で働く社員を多く抱えるIT企業の場合、社員が勤務形態を自由に選べる仕組みを導入している会社も珍しくありません。

主な職種：

• システムエンジニア
• Webデザイナー
• プログラマー
• データアナリスト
• Webマーケター

ベンチャー企業

ベンチャー企業は人手不足に悩まされているケースが多いため、求職者からみて自社が魅力的に見えるよう、週4日制度をはじめとするさまざまな制度を導入している傾向があります。

コンサルティング・専門サービス業

高度な専門性を要求される業界では、時間よりも成果を重視する傾向があり、週4勤務を認める企業が増えています。

主な職種：

• 経営コンサルタント
• 財務・会計コンサルタント
• 人事コンサルタント
• マーケティングコンサルタント

効果的な転職活動の進め方

1. 転職エージェントの活用

転職エージェントでは求職者の希望に合わせた求人紹介だけではなく、転職相談や転職支援も行っているため効率的に転職活動を進めることができます。

おすすめの転職エージェント：

サービス名	特徴	週4求人の強さ
リクルートエージェント	業界最大手、求人数No.1	★★★★☆
doda	顧客満足度No.1、サポート充実	★★★★☆
マイナビエージェント	20代支持率No.1	★★★☆☆

2. 「短時間正社員」での検索活用

求人を検索する場合は、キーワードの1つに「短時間正社員」も加えてみてください。フルタイムの正社員よりも、勤務時間や勤務日数を短く設定した正社員のことです。

3. 企業研究の徹底

週4勤務を導入している企業の事例を詳しく調べることが重要です。

実際の導入企業例：

• みずほフィナンシャルグループ：「週休3～4日制」を2020年12月から導入する方針を明らかにしました。グループ傘下の「みずほ銀行」「みずほ信託銀行」など6社、計4万5000人の社員を対象に、週の休みを3日、または4日から社員が選べるようにします
• ヤフー株式会社：小学生以下の子をもつ従業員や、介護に従事する従業員などを対象に、1週間あたり1日の休暇を取得できる制度を始めています

4. スキルアップによる市場価値向上

週4勤務でも企業に必要とされる人材になるため、専門スキルの習得が不可欠です。

重要なスキル分野：

• デジタルマーケティング
• データ分析
• プロジェクトマネジメント
• プログラミング
• 語学力

面接で週4勤務を希望する際のポイント

1. 明確な理由の説明

単に「楽したい」という印象を与えないよう、週4勤務を希望する具体的で前向きな理由を説明しましょう。

良い例：

• 「限られた時間で最大の成果を出すことに挑戦したい」
• 「副業で得たスキルを本業にも活かしたい」
• 「家族との時間を大切にしながら、集中して業務に取り組みたい」

2. 生産性向上への取り組み姿勢

週4勤務でも十分な成果を出せることを具体的にアピールしましょう。

3. 柔軟性の示唆

繁忙期や重要なプロジェクト時には、週5勤務も可能であることを伝えることで、企業の不安を軽減できます。

週4正社員として成功するための戦略

時間管理スキルの向上

限られた時間で最大の成果を出すため、効率的な時間管理が必須です。

実践すべき手法：

• ポモドーロ・テクニック
• タスクの優先順位付け（アイゼンハワー・マトリックス）
• 自動化ツールの活用

継続的なスキルアップ

追加の休日を活用して、常に市場価値を高め続けることが重要です。

コミュニケーション能力の強化

勤務日数が少ない分、効果的なコミュニケーションで同僚や上司との関係を維持する必要があります。

まとめ：週4正社員への転職を成功させるために

週4正社員への転職は、十分に実現可能な目標です。英国での週4日勤務のパイロットプロジェクトでは、参加した61社のうち、56社は週4日勤務制の試験的な実施を継続すると回答し、18社は恒久的に導入するとしています。日本でも徐々に導入企業が増加しており、転職市場での選択肢は拡大しています。

成功のカギは、事前の情報収集と戦略的な転職活動です。自分のスキルレベルを正確に把握し、週4勤務が可能な業界・職種にフォーカスして転職活動を進めることで、理想的な働き方を実現できるでしょう。

ワークライフバランスを重視しながらキャリアアップも目指せる週4正社員という働き方は、これからの時代のスタンダードになる可能性があります。まずは自分に適した求人を見つけることから始めて、新しい働き方へのチャレンジを始めてみませんか？

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編集部からのアドバイス 週4正社員への転職は計画的に進めることが重要です。現在の職場でリモートワークやフレックスタイム制などの制度活用から始めて、段階的に理想の働き方に近づけていくのも一つの方法です。LIFキャリアでは、あなたのキャリアアップを全面的にサポートしています。関連記事も合わせてご覧ください。